平沢進 INTERACTIVE LIVE SHOW 2022「ZCON」
4/1、4/2は平沢進さんのお誕生日です!
おめでとうございます!大好きです!!
それに先立つきっちり1週間前である3/25〜26、東京ガーデンシアターで開催された、2015年10月以来、約7年近くぶりのインタラクティブライブ「ZCON」3公演に現地参加してきました。
初日 3/25 19:00開演
2日目1st 3/26 14:00開演
2日目 2nd 3/26 18:30開演
インタラ初の昼夜2公演でしょうか。
以下、Twitterから得た知見も含めて感想を綴っていきます。
長いです。1万2千字超えました(ばかじゃないの)
その中で書ききれなかった、あまり脳みそを使っていない部類の細かい見たまま聴いたまま煩悩のままのライトな追加感想を、4/2にこちらにアップしています。よろしければ。
初日は快晴。空ピーカンなり!
しかしさすが嵐を呼ぶ男、GHOST VENUE開催日に続き一粒万倍日の吉日であるはずの翌日は見事に雨に加えて春の嵐でした。ちょっと何のための天候技師ですか。
シアター周辺の電子ディスプレイに威風堂々と映し出されるのは本日公演のアーティスト、我らが平沢進。
このポスターをどうして売ってくれないんですか!?
…はいいとして、果たして歴代ヒラサワ全種類とどちらが多いかな?とでも言わんばかりに立ち並ぶ平沢進平沢進平沢進平沢進平沢進平沢進…
「ヒラサワ畑」「クローン培養器」「奈良の寺院の仏像展」「綾波」「ゼーレ」等々、Twitterで見た皆さんの表現が実に秀逸でした。
会場隣接の有明ガーデンのBGMは、家族連れが憩うモール内全エリア、各階の屋外テラス、果てはトイレまでも、エンドレスにループするBEACONアルバムに完全に掌握され異空間が形成されておりました。憩いにきた善良な人類にもはや逃げ場などない。うんこも落ち着いてできやしねぇ。
幸いなことに物販の事前予約(約700人限定)に当選していたので、時間管理的にとても助かりました…もちろん息をするように全種類購入したので荷物的にも実にありがたき。
服はすぐ着て、スマホケースも速攻iPhoneセットして活用させていただきました。
ご覧ください、何故かここに運を振り切ってしまって堂々の1番です(番号順で並ぶわけではないので特に何の意味もないやつ)
座席運も初日はなかなかでアリーナCブロック2列目(実質6列目)。翌日は昼公演はバルコニー1(3F)Gブロック4列目、夜公演はバルコニー2(4F)Dブロック3列目と、直線距離こそどんどん遠ざかるものの、どれも中央よりの端または端から2番目の席で全て眺望最高でした。足元がじっくり見たい勢としてとても満足な視界でした。
上の階層に行くほど音圧が強く、横殴りの音の雨を全身に浴びるような音響が素晴らしかったです。バルコニーからでもそこそこ肉眼でステージ上の方々の表情が判別できるくらいには近く見えた、最高の会場でありました。
場内は中央ステージ奥以外の両サイドにもでっかいモニターがあり、計3つのスクリーンが煌々としていました。
オーケストラピットの最前3列分とアリーナのACサイドブロックに座席は設置されておらず、バルコニーのAIブロックは空き、BHブロックの中央寄り席を見切れ席として販売したように見受けられました。
着座だと6992席と公式に出ているので、実際は6000席前後くらいが捌けた感じなのでしょうか。ついに単独公演の集客力だけでフジロックのレッドマーキーのキャパを大幅に超えてしまいましたね…!
CALL!!の表示字に限り、拍手の他に自分の声を録音した機器の再生もOKというシステムでしたが、いざ鳴らしてみたら万雷の拍手の中では自分ですら聞こえないという体たらく……それでも2公演目までは、かき消されるのを承知でiPhoneのボイスメモを連打しておりました(最終公演は設定をミスったため断念)
今回のインタラは、天候技師(宅オ)はGoogleスプレッドシートへの投票で指定の力率を調整、改訂評議会員(現地)は書き換える書物の一文を拍手歓声の音量でLかRか選択する、というシステム。
それでは以下、3公演分の曲目、大まかな分岐やストーリーの流れです。キーになる場面も抜き出しきれずわかりづらい書き方ですみません。加えて敬称略で失礼します。
青字は映像内のストーリー、[ ]内はGreen Nerve会報46号の、某ページの某項目ナンバーに相当しております。極悪会員は是非会報をお手元にアーカイブを見てフフッとなろう!
冒頭の、語り部である白沢さん(以下ナレ沢)の語りは公式の特設サイトからの抜粋でした。
※以下間違っている部分も多々あるかも…なるべくアーカイブ公開期間中のうちに適宜修正かけます!
【1公演目】
【2公演目】
【3公演目】
【分岐選択】
分岐について
平沢さんが毎日MCで「絵に描いたように……」と仰っていましたが、本当に見事な王道展開でしたね。
「こちらでは何もコントロールしていません」とも仰ってましたが、もしかしてこれは無意識かもしれませんが初回の最初の分岐でなるべくRを選ぶといいことがあるように文面で誘導しようとしていたのではないか、と私は感じました。
オマエタチがまずは「平沢さんならこう言いそう」って基準で最初は選ぶだろうって、たぶん読んでいたのではないかと。まさにオマエタチの思考を盗んだのね、と(笑)
まず最初に分岐のRルートを潰しておけると、Lルートにしかないと推測される成功ルートを残り2回で成功させる確率が高くなると思います。
インタラ分析のスペシャリストたるひ組様(本当に大変お世話になりました)も仰っていましたが、初回でLルートを辿ると逆にそれ以降を絞りにくくなり、最悪のバッドエンドとはいえ、腕によりをかけたルートのひとつが日の目を見なくなる可能性が格段に高まる気がします。
また、2公演目終了時点で、2つ目の分岐で選んだLがだめなら1つ目で前提条件が変わったのだろうから、これは文脈
久々に文脈牢という単語も事前に持ち出しておられたので、
幕間にTwitterを覗くと2分岐目について、LでもRでも×
50:
平沢さんとオマエタチとの知恵比べという感じで、インタラって脳から湯気吹きながらもとても楽しいですね。
後になって冷静に考えると、
①シトリン様の確率の思い込みで墜落の危機→根拠の意味のなさによって思い込みに対応するZCONITEを消す。
②炎のロープが掴めない→炎の幻影に対応するZCONITEを消す。
③アヨカヨ絶滅以降のTIMETLINEが永久ループする→歴史を繰り返すことを否定する。
って、至極単純な問題解決の選択だったなぁと…(とかいって違っていたらすみません)
分岐の後にピンチな状況が来るので、少なくとも一度目で結びつけることは不可能な構造なのがなかなかニクいです。
あとZCONITEについては会然TREK2K20▲
ライブ直前に一部物議を醸した騒動も、
キャラクターについて
Astro-Ho!さんとゾンビ以外実質全員平沢進やんけ。
改訂評議会の長、会人2人、ルビイ&シトリン、Σ-12、アヴァター、道化師(声)、インタラ史上最多人数の計8人の平沢進ですよ……。まして四つん這い沢さんが実はアヴァターでもnGiapでもないとかだったら9人になってしまいます……。
いやそれにしても声も演技も最高でしたねピエロ。アフレコ風景見たすぎますね。
ナレ沢さんが果たして誰だったのかという疑問が残ります…クレジットでは「Chiarman of the Revision Council」「nGiap」「Pierrot(Voice)」の3名しか記されてないんですよ……うそこけ!(笑)
長=ナレ沢さんなのか、あるいは未来のnGiapさんなのか…個人的にまだすっきりしてないであります。
ところで2公演目が始まるより前に平沢進ベアトリーチェ説唱えてた私すごくないっすか????(偶然)
🤡「あのnGiapという男は何者なんだ?」
— ともぞう (@tomozou_69) 2022年3月26日
ル「私何か思い出しそうな気がするけど…ダメなのよ」
シ「あなたもそうなの?私もそうなのよ」
これルビイ=シトリン=nGiapかな?(うみねこ脳)
「多重人格に似た症状」「分裂状態」「あんた(nGiap)もおねえちゃんと同じ」「人称代名詞は正しく使うんだオマエ」等々、伏線はとてもフェアでした。
ゾンビが出てきたときは「新感染キター!」とテンション上がりましたし(来なかった新感染)、2公演目を除きアヴァターとセットで出てきたので、「愛なき世界」=「光学現実」かな?とかちょっと深読みしましたがよくわかりません。脳内世界のようにも取れますしね。
「愛なき世界」=「I(本来の自分)なき世界」かな。だからその世界では亡者になる。
会人さんはニューデザインで登場。歯磨き粉とかハンドクリームの尻、クソデカギターピック、三味線のバチ、しゃもじ…等々色々浮かんでは消えましたが、ASIMO的な質感のサイボーグっぽくてカッコ良いと思います!
MC登場時に毎回肘を曲げ手を顔側面に当てたおにぎりポーズをとって2人で呼応してる姿が愛らしかったですね。
ところでデスゲームとか主催してそうなあのウサギは何だったんでしょう。あんた誰。
平沢さんはよくtwhzでうさぎを追ってますが、え、さては平沢さんにストーカーされてるのはキミなのかい???
あとタフィラスって誰よ!
また、Astro-Ho!
あと、Σ-12さんの言葉、平沢さんの素の言葉に近いんじゃないかなぁとなんとなく感じました。
インタラのΣ-12はいかにも何等かの役割を演じており、Phantom NotesのΣ-12は絶対に主導権を他者に渡さない。つまり、何等かの役割を演じるということはあり得ない。
— Susumu Hirasawa (@hirasawa) 2017年9月18日
これは憶測というかもはや言いがかりレベルですが、Σ‐12さんは今回は平沢進の役割を演じていたのでは…という可能性に思いを馳せます。いやHo!さんとゾンビ以外全員平沢進なんですが。
ついに美人姉妹まで公式で平沢進になってしまったじゃないですかどうしてくれるんですか。
曲や演出について
核P曲が来るなんて聞いてない(動揺)
他新譜外の曲はクオリア塔を除き還弦祭りの大盤振る舞いで最高でしたね!実質P-MODEL祭でもありますやん。
もう初回のルビイさんとシトリンさんのコード進行がASHURA CLOCKのものだと理解した瞬間、涙腺大決壊しましたよね。
改訂評議会だから改訂P-MODEL曲がきたら嬉しいなとは思っていましたが、本当に今年初めに逝去された福間創さんの曲をやってくださるとは思わないじゃないですか……!
流した涙の量は2公演目のMCで平沢さんがこぼした水の量にも負けませんよ。
5人で奏でるASHURA CLOCK……戦隊モノかな……観客皆、6人目の追加戦士として福間さんの姿が見えていましたよね……!でも5人は実質平沢進なので福間さんとの2人での共同戦線なのです。エモい。
ルビイさんの苛烈なサックスとシトリン様の天上の声に彩られたASHURA CLOCK、本当に素晴らしかったです。
個人的な白眉はやはり、そのナレーションでそれ歌いますか!とテンション爆上がりしたアート・ブラインドでした。本棚がどんどこ倒壊していく重厚感と威圧感はとんでもなかったですね。
消えるTOPIAの映像がフジロックの中井さんの映像を使ってくれて嬉しかったです。双眼鏡で平沢さんを見ようとすると、鮮烈なぐるぐる回転ライティングに「目がァ!!」とムスカってしまいましたが、八木ママの衣を纏いて白色の触手の野に降り立ちもぎもぎされていたヒラ姉様はとても神々しかったです。アカンついに「ヒラ姉様」がネタじゃなくなってしまった。
平沢さんが無限回廊のように背後のモニターにダーーーっと連なる様が不可思議空間度UPでとても良かったです。
また、ビルの上から列車が行ったり来たりしていた悪夢で見そうな情景、なんとなく今敏イズムを感じたり。
BEACON等でぐるんぐるん回る照明も素敵でした。記憶のBEACONで、それまで映像のために暗転していたステージが「前途」の「ぜ」でパッ!!!と一発で明るく成る演出は、ポケモンフラッシュどころじゃない衝撃であり、全スタッフ相当研鑽を重ねて息を合わせられたのだろうと驚嘆しました。
あと、レーザーハープ起動時に扇状にスーッと広がる緑の光と、4Fバルコニー席で最高峰までレーザーの光が伸びているのを確認し、平沢さんが張った結界に守られているみたいだなぁと謎の安心感に包まれました。
両側舞台袖を天井から覆っていた、洗濯のホースのような干した昆布のようなビニール?、あれ舞台袖のチラ見えが防止できて、光の反射効果や奥行き感もでてとても良かったですね(松村様が見えなかった血涙を流しながら)
何より3公演通じて、平沢さんの声がとにかく素晴らしかったです。
特に最終公演の凄まじさ。ただただその歌声に呑まれ、心臓が痛いほどに鷲掴まれ、脳が震え、没入度がとんでもなかったです。
何回もライブに足を運んでいるのに、まだまだこのような衝撃に新鮮に圧倒されるのかと。
そして最後の「もう大丈夫ですよ。安寧の人」の宇宙規模の優しい響き、あの時感じた心からの安らぎは、きっといつまでも心に刻まれることでしょう。
あと初日COLD SONGのデストロイがとても……えっちでした……あの色香は未成年が浴びてはいけないシロモノでしょう……
そういえばCOLD SONGにのみ対応する[ ]がなかったのですが、ライブからはハブられた()[07]はまるでZCONインタラそのものを総括するような内容だな、と感じました。
なぜこの物語がCOLD SONGから出発したのかが腑に落ちる気がします。
考察(というほどでもない思考垂れ流し)
HAPRA次元数の元ネタはあれかな、とか、深堀りしようとすると人によっては認知的不協和が出やすい要素もいくつか潜んでいたのかなと思います(私はそういう話は昔から大好きです)
表から裏から上から下から前から後ろから横から、それこそ陰謀論とカテゴライズされた概念からでも、心理学面からの純粋な存在大肯定の賛歌としても、キャーよくわかんないけどとにかく平沢さんカッコイイー!!でも、どんな角度からでも自由に読み解ける構造のエンターテイメントだったと思います。
受け取れるものはその人の歩んできた人生の土台による。土台は参加した人の数だけある。目に映るものは全て己の内面の投影でしか解釈できない。
だから「世界はお前の『お漏らし』でできている」
そして「常に『それとも』を持ち歩け」は、座右の銘にしたいくらいの至言だなと思いました。
平沢進は平沢進として常に一貫している、平沢進は作品で生き様に、あるいは生き様で作品に嘘はつけない(nGiap様みたいに騙してくることもありますが)という点において、絶大な信頼感を感じられたライブでした。
例えば我々が卵の内側で安息を得ているときに、遠慮なく卵の殻を割ってくるのが平沢さんで、突然の平穏の破壊に「ひび入れるんじゃねー!」とキレる者もいれば、誰かのために安寧の目玉焼きとして身を捧げようと志す者もいる、未知の世界によちよち不安げに自分の足で立ち、自分の頭で考えて歩き出したひよこがいたら、もしかしたら平沢さんはちょっと嬉しいかもしれない。だからコミュニケーションを絶えず試み続けてくれるのかもしれない。故に何かがあった時に失望も深かったりするのかもしれない。いつか何かに忍ばせて放ったデュンクに応答する誰かのアンを待っているのかもしれない。
またもこのインタラでルビイ、シトリン、nGiapという存在の統合によって描かれた、SCUBA以降平沢進の表現物の軸を貫く「全き人格の回復」の一大テーマ。
24曼荼羅で語られた「奇妙で不誠実なタイムラインからの逃亡」、フジロック2021で冠された「脱出系亞種音」、ZCONでは「解決済みのタイムラインへ移動するだけ」……ここではないところに行こうぜシリーズのライブが続いてますね。
何度も繰り返される「適所脱出」を可能にする条件は「全き人格を回復すること」なのかもしれない。
それは迎合しろとかでなく、ヒラサワにさえ抑圧されることなく、また逆に自分が誰か他者を抑圧する「保護者」の立場となることなく、本来あるべき自分として制限されることなく自由に生きて欲しいというエールなのかもしれない(かもしれない連呼)
脳から湯気吹きそうなので、かもしれないトークはこの辺で。
平沢進が美女姉妹として不可思議空間を旅したZCONは実質バ美肉、とか適当なことをほんとは延々書きたかったのですが変な方向に舵を切ってしまった。
綴りたい思い出はあの時間あの空間の座標にまだまだ沢山ある。でも、そろそろまとめと致しましょう。
現地やインターネット越しの何千人ものお客さんたちと心をひとつにしてグッドエンドの風景を掴み取ったこの達成感、この充足感、本当にこの上なく満たされた時間でした。
おかげさまで前回のインタラ、WORLD CELL 2015の時のバッドエンド終了の無念の呪縛からもようやく解き放たれました(笑)
最高のパフォーマンスと世界観を届けてくれた平沢さん、主催側に携われた全ての皆様、この時間を共有できた皆様、すべての方々のおかげさまで私は元気に生存を焚くことができております。
本当にありがとうございました。
とっても、とっても楽しかったです!!!
そういえば、グッドエンドになればAstro-Ho!骨折は回避できるかと思いきや、全エンディングで骨折を免れなくてHo!さんかわいそうでしたね(笑)
それでは、こんなグダグダのド長文をここまで読んでいただきまして、本当に本当にありがとうございました。