FUJI ROCK FESTIVAL ‘21

δ株が猛威を奮い、COVID-19の陽性者数は急激にインフレし、首都圏では緊急事態宣言が発出していた最中でした。開催に関し賛否渦巻く嵐の中、主催側も参加者側も、各々がそれぞれの厳戒態勢で迎えた日。

当日までの数ヶ月は、一切外食もせず自宅以外ではぼっち飯オンリー。

体調は良好、平熱、当日朝の抗原検査は無事陰性。

最終日のみ、単騎で自家用車で直行直帰での参加です。

 

一昨年と同じ場所で道を間違えたりしつつも、辿り着いた朝の苗場は空ピーカンなり。

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8時半過ぎ頃にアーティスト物販売り場で脱出系亞種音Tシャツをゲット。

この時点でMサイズは既に完売しておりました。ヒェ。

 

主催発表によると参加者は例年の1/3程度であったとのことで。

物販でも、飲食ブースでも、トイレでも、ほぼ並ぶ場面はなかったです。

せいぜい1~2人待ち程度。

唯一列を成していたのはトイレの外の手洗い所でした。

私が見た限りでは、全員が設置されたハンドソープで手を泡立て、30秒程度しっかり洗っていました。ハンドソープのリッチな香りとひんやりした山の水が気持ち良かったです。

 

同行者と穏やかに語らう方々以外に声も聞こえず、広い空間では混雑も全く発生せず。

ご覧の通り、無造作に撮っても人がほとんど映り込まないレベルです。

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各ステージのアリーナ前方にはソーシャルディスタンスの目印が等間隔にバミってありました。

映画館の座席よりもうちょっとゆったりした幅です。

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お昼頃までは晴れていましたが、午後は土砂降ったり止んだりを繰り返す天候に。

一昨年に食べ損ねたリベンジで真っ先に苗場食堂へ駆け込みきりざい丼を確保。

その他狙いをつけていた屋台を渡り歩いて、まずは食い倒れツアーです。

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美味しかったー!

(上からきりざい丼、エスプレッソトニック(ノンアル)、アボカドチーズポテト、レーベンブロイ(ノンアル)、ヴィーガンカレー)

 

ところ天国の川べりで足を休めている間、木々を超えて風に乗って響いてくる音楽と川のせせらぎのハーモニーがとても心地良かったです。

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グリーンステージの芝生でぼんやりしていると、朝日新聞の記者さんに軽い取材を受けました。

私はのっけから、敢えてステージ前方から観客が密集して見える構図を使用するのはやめて欲しいと文句を言い(笑)、いくつかの質問に答える中で、飲食業界以上に悲惨なことになっている音楽業界の窮状や、実際にこの場で感じた対策として良いところ、足りていないところをそのまま事実としてきちんと書いて欲しい、とお願いしました。

記者さんは、皆きちんとガイドラインに沿って行動していて吃驚した、変に騒ぐ人もいない、皆マスクをして、前方も意外と密になっていない、と感心されていました。

フェスは好きですか?と聞かれました。

はい、大好きです。私が初めて行ったライブがフェス(SUMMER SONIC)だったので、このごった煮のお祭り空間は心の実家のようなものです。防疫と経済がどうにか両立できるポイントを探って、ウィルス死も経済死も最低限で救える、フジロックが一つの例としてフェス業界の光明となると良いな、ということなどをお話ししました。

 

色々なアーティストさんを覗いて楽しんでおりましたが、ここでは一気に平沢進+会人の感想に参りましょう。

 

前のアーティストのFINALBY()さんの巨大三角コーン等の舞台装置が舞台袖に捌け、逆側の袖から機材が来るのかな?とワクワクしていたら、ド正面の幕が上がり、ドラム!鉄棒レーザーハープ!テスラコイル!とドンドンドン!と搬入されてきました。ずっと真後ろで待機してたんですか機材の皆さん!

会然TREK2K20▲03の時のような布陣ではないかと当初は予想。いつもステージ下手側のTAZZさん前あたりを定位置としている私ですが、せっかくならレルレさんの野外ドラムを間近で浴びたいと上手側3列目でスタンバっておりました。

見事にヤマは外れ、ドラムは下手側に、上手側にはバイオリンとサイレントチェロがセッティングされました。やはり私はTAZZさんと運命の糸で結ばれているのね(←)

松村舞台監督が、珍しくマスクやパーカー的な上着を纏っておられたので、果たしてかの方が松村様なのかいまいち自信がないながらも、ギターやレーザーハープやテスラコイルを黙々とチェックされるあの凛々しいお方は松村様でした(何)

出演者ではレルレさんのみがリハーサル中に音出しチェックに現れ、ズバババン!と叩き終わると盛大な拍手が沸いていました。

転換時間は1時間ありましたが、30分程度で概ねの舞台上の準備は整ったようです。早!

 

セットリスト

出囃子(ZCONITEアレンジ)

COLD SONG

ENOLA

BEACON

Solid Air

TRAVELATOR

幽霊列車

アヴァター・アローン

消えるTOPIA

アンチモネシア

HOLLAND ELEMENT

パレード

夢みる機械

論理的同人の認知的別世界

Big Brother

救済の技法

TIMELINEの終わり

Encore:庭師KING

 

転換中の照明リハーサルを見ながらこんな照明ソムリエみたいなことを適当にほざいていたのですが、

まさか本当にアヴァター・アローンが来るとは思わないじゃない……あなた一昨年もフジロックに出場したじゃない……。

 

前回からの続投はアヴァター・アローン夢みる機械の2曲でした。今敏監督枠は白虎野と交代してパレードがINでしたね。

パレードの曲中の1拍目にバシン!!と強く打ち付けられるド派手なシンバルがとても印象深く、最高に格好良かったです。バックの映像は、巨大会人の恐怖のパレードが来る……!的な威圧感がありましたね。私が知る限りでは、少なくともHybrid Phonon以来、Aメロが毎度食い気味かつ噛み気味なのはもう癖なのでしょうか(そこがライブって感じでとても好きです)

 

不穏な出囃子は謎の黒人のシャウト?みたいな雰囲気の声が突如鳴り響き……え?何?プロレスでも始まるの?私ステージ間違えたかしら?と戸惑っているうちに、ダークファンタジックな音像から徐々にZCONITEの旋律が浮き彫りになっていく構成。アルティメットZCONITEという感じでした。

特定した人がおられましたが(凄い)、米大統領選関連で一時話題になった、とあるアメリカ人のとある方面で有名なとある演説のとある部分の逆再生だったようですね。

平沢さんは24曼荼羅の時と同じ衣装でご登場。ちょうど似たような詰襟フォルムで黒地に赤ジッパーなカラーリングの撥水ジャケットを着ていたのでちょっと嬉しい。新譜BEACONのジャケットに登場した宇宙服の頭部のようなヘルメットをかぶり、まだ落とされたままの照明の暗がりの中を緑の爪痕を刻むようにレーザーハープを奏でる姿は、ド初っ端から何らかのサイバー儀式感全開でした。

そーっとヘルメット取った後、後ろ髪をささっと整えるお姿がレアでした。良かった……何とは言いませんが一緒にスポッといったりしなくて……。

 

徐々にレーザーハープの歪んだエレクトロの歌声が四分音符を刻み出し、まさかの初手COLD SONG

おしっこちびって泣いちゃった。

魔王もう降臨しちゃいましたね。のっけからクライマックスですね。

テスラコイルと生ドラムに彩られたCOLD SONGを一度浴びてしまうと、もうCDの音源だけでは満足できない体になってしまいます。しまいました。

 

続いて奏でられるはまさかの、まさかのENOLA
レルレさんの願望がついに叶った!と喜んで飛び跳ねて腰をグキッといわしてました。

後日、非局所性緑色免疫団団長とちょこっとお話しする機会に恵まれたのですが、「平沢さんらしいですよね、ENOLAって病原菌の曲じゃないですかと言われてハッとしました。レルレさんおめでとう!の祝福モードに夢中になっていて、不覚にもその発想は出てこなかった。

中盤に、歌詞的にENOLA2っぽいなぁと思っていた消えるTOPIAも演奏されたりで、姉妹作(勝手に設定)共演だわ〜とテンション爆上がり。消えるTOPIAは突出して好きな曲なので生で聴くことができて本当に嬉しかったです。サビ(いわゆるEパート部)がシングルヴォーカルとして伸びやかに際立っていて。映像も本当にイメージそのまま解釈一致でした。

BEACONの映像もアルバムジャケットが波打った!という感じでスタイリッシュで美しかったですね。冒頭のファルセットで負担がかかったか?ウィスパーボイスとの急激な落差に少々つらそうに思えたENOLAのAメロから、ちょっとハラハラしていた懸念を思いっきり吹っ飛ばす、朗々と伸びやかな歌声が素晴らしかったです。

 

Solid Airは始まった瞬間ノイズがビャーーー!と響き渡ったのですが、ホワイトステージの音響はバリバリのノイズでも不思議と耳が痛くならない、むしろ心地良いくらいでした。平沢さんの表情でのヘルプに即座に応じてエフェクターのトラブル対処に駆け付けられた松村舞台監督も、意図的か偶然かちょうどトーンダウンする上手いところでノイズを止めたりとナイスな措置をされ、まるで元からのハードノイズアレンジのように妙に曲に馴染んでおりました。

 

「曲ののっけからビャーしてたし平沢さんがペダル踏み間違えたのでは?」

たまたまフジロック配信を見ていた知人のギター弾き「単純にライン引っこ抜けたノイズっぽくね?」

非局所性緑色免疫団団長「リハできなかったんだもんね…配線トラブルかなと思ったんだけど…」

 

果てさて、BSPでの真相解説が待ち遠しいです。

元々からの予定だったのか、視覚でリカバーしようとされたのか、ぐるんっとピシッとキレッキレのギターアクションをこなされる姿がどう考えても60代の人間の動きじゃなくて凄まじかったです。映像でしか知らない初期〜中期P-MODELの平沢さんが、髪の色だけ変えて降臨されていました。

FINALBY()さんからの転換時に、スタッフさんがステージ前方の水をジャーと滝のようにかき出していたのを見ていたため、滑って転びやしないか、または遠心力でプラチナシルバーが吹っ飛んでいかないかヒヤヒヤしつつ、そこらのフィギュアスケーター以上の体幹に感服しきりでした。膝屈伸時のバネが凄すぎる。なんですかあのサバンナのネコ科の獣のような俊敏さは。

ギターソロ部分が吹っ飛んでしまった点だけが残念だったので、また次回ライブ以降にリベンジかまして欲しいです……。

 

TRAVELATORアンチモネシアBig Brotherと、聞いてない!核P-MODELとハイブリッド仕様だなんて聞いてないぞ!ウオオオオオオオオオ!と、叫べない代わりに手を叩き飛び跳ねまくっては、その都度腰をいわしてウオオオオオオオオオとなってました(自爆)

TRAVELATOR、現在の状況から噛み締めると改めて最初から最後まで本当に響いてくるものだらけの歌詞ですね……。

アンチモネシアwithテスラコイルBig Brother(可逆的分離態様Ver.)は、初めて参加した2014年のHybrid Phonon以来の再会で懐かしさがこみ上げました。ある意味手土産予告時に示唆されていた1984年という年に意味がある、という件での関連曲ともいえるのかしら。

キミを見る、の部分などで見つめ合ってる会人さんズが愛らしかったです。

 

その、あらかじめ予告されていた手土産曲はHOLLAND ELEMENT。追加パートと追加歌詞、そして追加シャウト、イントロを重厚に飾る金管楽器群の勇ましく格好良いことといったら……!ご本人曰くのビンテージ沢さん。絶対お目にかかれるはずもなかった、中期P-MODELの平沢さんそのままの姿(白髪Ver.)を目に焼き付けることが叶いました。

 

新譜からは計6曲(出囃子含む)が登場。前述した4曲(出囃子含む)と幽霊列車論理的同人の認知的別世界

空ピーカンなり、の歌詞の通り、それまでのアーティストでは出番中一度は強い雨が降るタイミングがあったのですが、気象兵器たる平沢さんのご出演中はただの一度たりとも雨粒は降り注ぎませんでした。奇跡だ。吃驚。

論理的同人の認知的別世界では、会然TREK2K20▲03でのコヨーテの語りを彷彿とするような、会場を上目遣いに見つつのちょっぴりドヤ顔風味の語りに加え、「何人吊るす?」のところで人差し指を立てた右手で首元をスッと絞首する(むしろ斬首に見えましたよ)ジェスチャーで、はい今吊るされました心が吊るされました(心停止)

平沢さんこのときすっっっっっごい悪い顔されてましたわ……。

デンデンデンデンデンデンデンデンデンデンデンデンデン(8分音符)のところで、平沢さんと会人さんが揃ってギターやベースのネックを地に向けて刻んでいたパフォーマンスがツボです。会然TREK2K20▲03でもありましたよね、ネックをドリルにして地を掘るような素敵ポーズ。

 

わりと全般的に、音源の方の声の出力が強いのか(一昨年のレッドマーキーでも強めに出ていたような気がする)、ユニゾンやハモリやディレイの声がデュエットや輪唱のように聞こえ、しかしそれをねじ伏せるようなリアルタイムの歌声の圧に興奮しました。

スピーカーの近くにいたお陰か、音源と生の歌声がそれぞれ異なる位相で聞こえていたので、コーラスが厚いときはライブではこっちのパート歌ってるんだ……!という感動を現地では覚えたのですが、どの曲のどの部分か失念してしまって泣きたいです。

歓声禁止が一番拷問だったのはやはり夢みる機械でしたね。

黒縁眼鏡で???分厚い本(平沢さん曰くフラッシュブック)を手にして???ステージをウロウロ歩き回るとか???お待ちくださいもうそれは擬装市民PEVOのカーヴォであってコンペリタンチップルの再来なんですよ。

このときちょうどこの帽子をかぶっていたので、f:id:tomozou_69:20210908195210j:image

ここは表参道GROUNDか!!と(錯乱)

テスラコイルフィーバータイムでいったん引っ込んだあと、掃除機ではなくデラワーカメラを手に、眼鏡も通常のリムレスにお色直しをして戻ってこられたので、先ほどのはきっとかねてより黒縁眼鏡を切望しすぎたゆえの幻覚だったのでしょう。きっとそうだ。スナップショットは前回と同じく下手側を撮られていたので、上手側から羨ましくガン見しておりました。

雲一転にわか晴れて、の部分では、一昨年に引き続き、とはいっても小道具を手にしているため前回は両手でしたが今回は慣れたように片手で悠々と会人を操る平沢さん。3番の同部分では、特に手を翳されてないのに客席全体が息ぴったりに勝手に屈伸銅線コイルのトーテムに一斉に一礼(一礼の時ちょうど目の前にTAITONIHAJIKERUDENBUがお越しくださっていてとても情緒がつらかった)、そして皆でエントロピーと、会場全体が一体感に包まれていてとても楽しかったです。

前回のご好評にお応えして、という理由から夢みる機械は選曲されたのかもしれませんが、歓声を封じられていようが体でコール&レスポンスさせてくれる、ライブならではの充足感と満足感溢れる演出にしてくださったことが本当に嬉しかったです。

 

本編の最後を飾るは、救済の技法、そしてTIMELINEの終わり

一昨年のレッドマーキーでは映像に赤帯が出たのに演奏されず救済詐欺などと言われていたものですが、ついに伏線回収です。

ここで隙あらば自分語りさせていただきます。私は平沢さんの楽曲と初めて出会った際、3曲聴いてすっかり虜となり、その時に魂が生まれ直したような感覚でいるのですが、その時の3曲がMermaid Songナーシサス次元から来た人救済の技法でした(これをホップ・ステップ・救済と自分で呼んでおります)

そして、このフジロック当日はちょうど自分の誕生日でもありました。誕生日当日に、生まれてくるキミの日フレーズを直に浴びることができ、さらにリスナーとしての魂の原点たる救済の技法まで合わせ技でいただいてしまい、その上熱望し続けていた黒縁眼鏡が、しかも本邦初白髪Ver.での黒縁眼鏡を間近にくらってしまい、平沢さんのお陰で人生最高の命日を過ごすことができました……同じ場所で同じ時間を過ごせるというだけで十分すぎる僥倖でしたが、キャパオーバーの幸せを本当に本当にありがとうございました。曲に包まれながら、降らなかった雨の分まで目から土砂降りでした。

 

アンコールは庭師KING。本来ならもう一曲、HUMAN-LEも用意されていたそうですが、ギタートラブルの影響にて残念ながら1曲のみに。万感の思いが集約されていたであろう最後の曲、なにより一番残念だったのは演者の皆様だったことでしょう。

平沢さんが足繫く通われているKENJUキッチンの店主さんが、お客さんからお勧めされてまず聴いてみた平沢さんの曲が、まさしくこの庭師KINGだったそうです(これはグッジョブなお勧めをされたお客様ご本人からお聞きしました。ほんとグッジョブ)

その後歌詞がご自分に重なるところがあると感銘を受けられ、期間限定メニュー紫峰KINGにそのお名前を冠され、それを召し上がった平沢さんが斬新なアイディアに唸り舌鼓を打たれ、そしてフジロック最終日にホワイトステージのラスト飾る曲が庭師KING……助けてください尊いマジ尊いクソデカ情緒スパイラルが止まりません……!

お二方ともどうか末永く相思相愛でお幸せでいてください……(嗚咽)

そういえば速攻帰宅して早朝に見た配信の再放送では謎のクラッチ音?が入り込んでいましたが、現地では聞こえなかったと思います。何だろうこれ。

 

熱意と言葉を尽くして、現状の打破を鼓舞していたアーティストが多数おられた中、平沢さんは一昨年と同様にMCは何もなく、本編最後と、アンコールを歌い終えた後に二度の「ありがとう」のみ。

二度目の「ありがとう」は、とても力強い響きでした。

言葉よりも何よりも、奏でられた音楽が全身全霊ですべてを雄弁に物語っていたと思います。

コロナ禍だから云々という限定的な場面に限らず、例えば災害、テロ、戦争、あるいはこのフジロックのように「人を集めるイベント」というイメージのみに過集中したヒステリックな糾弾、など、なにがしかの有事の際、情報の津波が押し寄せ溢れ錯綜し、平沢さんが仰るところの情報パンデミックに溺れそうになったとき、どう正気を保つか……言い換えれば、どうやって冷静に情報を取捨選択し、理不尽や感情的な暴走から距離を置き、己の軸を保ち、己の責任において判断し、行動していけるか。

垂れ流される憎悪に心を委ねるな、と。

あなたにはそれができる、と、力強く鼓舞されたと、私は受け止めました。

万人いれば万通りの、色々な受け止め方があると思います。

でも、皆、それぞれの場所で、見れて良かった、聴けて良かった、来れて良かった、と、大きなものをこの脱出系亞種音という名が冠された1時間半の圧倒的な世界観から得たのではないでしょうか。

 

行けて良かった。

見れて良かった。

開催されて良かった。

 

尽力された関係者の皆様には、ただただ感謝の思いしかありません。

 

帰りすがらのグリーンステージ、鮮やかな光と静かな歓喜で埋め尽くす電気グルーヴの最後の2曲を思いっきり踊って、かなり限界を迎えていた足腰にとどめを刺して(←)、私のフジロックは幕を閉じました。

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ありがとう。

本当に本当に幸せな一日でした。

 

 

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