「戦法STS」についての雑感

 

 

 

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これは本当に個人的な印象というか、あくまでも勝手な妄想なのですが

 

 

戦法(Battles)(先方)(先鋒)(尖峰)(How to Battle)

 

 

平沢さんのことですから、言葉の中に、それこそ常人には思いつかないような発想・洒落・こじつけ等々の意味がたんまり含まれていると思います。

 

メインアクトであるBattlesのツアー名が「BATTLES JAPAN TOUR 2019」ととてもシンプルなのに対して、前座が「戦法STSと銘打ち、Twitter企画「170帰路の1分間」にもオリエンテーションイベントのホットポイントとして組み込まれ、オリジナルグッズ(しかも安価な雑貨でなく高価な服飾品)も発売され、ツアーなので簡易なセットであればあるほど楽なはずの20分のライブにわざわざサポートドラマーを呼び、ドラムセットやレーザーハープまで持ち込み…

 

大好きなバンドの栄えある露払いとはいえ気合いの入れ方はんぱねぇ

 

オープニングアクトというものは勢いと人気のある新人バンドが務めるイメージです(XTCヴァン・ヘイレンの前座を務めたP-MODELとか、最近だとレディ・ガガメタリカの前座を務めたBABYMETALなどが浮かびますが)

平沢進師匠は現在活動量も人気も飛ぶ鳥落とす勢いですが、しかしながらメディア露出はほぼゼロでインターネット上を主戦場としており、しかも芸歴40年の大御所

けっこう扱いづらいポジションではないかと思います。

てかご本人もよく仰っておられるように普通に扱いづらい立ち位置でしょう😅

最近はフジロックYouTube再生数などで数値として人気が可視化されたりしていますが、おそらくオファーはこの結果を踏まえる前、下手したらフジロック前に成されていたのではないかと、平沢さんの過去のもやっとした発言の中から推測しています。

 

何が言いたいかというと、よくSmash側が前座バンドのこれほどの好き放題を許してくれたなぁと(笑)

 

これほどまでにゴッテゴテに本気モードのお膳立てが成されていると、もうメインアクトを食う勢いで本気の宣伝をぶちかますのでは…と危惧してもおかしくないと思います。

それこそ戦法=How to Battle=ガチの対バンモードじゃワレ!になっていてもおかしくないです。

いや平沢さんの性格上100%それはないのは分かりますが。“ファンなら”分かりますが。

万が一平沢さんに何かの野心があったとしてそれを剥き出しにしたら、「名前だけでも覚えていってくださいね!」では済みません。

なんせ業界を敵に回してもここまでのし上がってきた芸歴40年の歴戦の猛者ですから。

 

 

ところが蓋を開けてみれば、MCは最後のお礼一言を除いて一切なし

自己紹介やメンバー紹介すらなし

事前に情報を入れてない勢には、まさしく「あんた誰」状態。

MCに関しては「せっかく構築した世界観を崩したくない」旨を以前に語っておられたので分かりますが、パフォーマンスも、面白い動きはあったもののインパクト最強の持ち込み機材に反してとても控えめでありました。

顕著なのが、デストロイギターがなかったことだと思います。

レーザーハープ後ろの定位置から平沢さんは一歩たりとも前に出ませんでした。

最終日に会人さんが前に出てきてくれるサービスがあったくらいで、基本的にはあらかじめ設定していたパフォーマンスから、アドリブ的に逸脱することはなかったのではないかという印象です。

 

デストロイギターは平沢進個人の見せ場」です。

 

レーザーハープは、奏で方に魅力はあれど、特に演者に思い入れがない場合は「なんだかよくわからないけど面白い楽器」が印象として突出すると思います。

そこに「なんだかよくわからないけどよく動くペストマスクのメンバー」「なんだかよくわからないけど勢いのある覆面ドラマー」と、ステージ上が「なんだかよくわからないけど凄い」のてんこ盛りです。

個としての見せ場がなく、ステージ全体を総合的に見せ場として盛り上げていた…適切な言葉かどうかは分かりませんが、私には会然TREKのライブは「とてもスタイリッシュな珍ドン屋」に思えました。

「なんだこれ、面白い」、それで良い、みたいな。

 

当然ながら、名前を売り込むような要素はゼロでした。

よくある「ありがとう!この後も引き続き楽しんでいってください!」的な文言もありませんでした(私、このフレーズ嫌いなんですよね笑)

とても贅沢な余興を見たというか…

 

全力で本気でありながら、一切出しゃばらない。

ああ、これが平沢進の前座としての矜持なんだ、と惚れ直したのです。

 

蝕2017で、2曲演奏して会場を異空間に変え、まさに蝕を体現させるようなライブをブチかましておきながら、その後のトークタイムには一切登場せず、知らない人には「なんか凄かったんだけど何だったんだアレ」で終わったその心意気を再び見れたように思いました。

 

これが、平沢さんの、大好きなバンドへのリスペクトの形なんだと。

前座だからセットを簡易にしようとか、そういった発想はないのだと。

前座の範疇において一切の手を抜かないという最大級の敬意なんだと。

 

そんな平沢さんだから、常に応援したい、追いたい、ついていきたいと思い続けてしまうんですよね。

5億年ついていきます。

 

 

そんな潔い矜持を見せてくれた平沢さんと、きっと平沢さんを全面的に信頼してここまで好き放題させてくれたのであろうSmashさん、ありがとうございます。

 

 

戦法STSを終えて、そんなことをつらつらと考えたりしておりました。

※あくまで個人の意見であります。

 

 

(※追記)

フォロワーさんからのコメントでハッとしました。な、なるほど、これがつまり…謙虚…!!

 

 

 

ところできなこ&ナッツミルクおいしいね

 

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